招   月

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【招 月】写真36

[左右43cm]

豊壌文へ

瀬田川石です。

 

瀬田川では、この石のように[ジャグレ]を思わせる変化の多い石を何故か[蓬石]と言います。

 

蓬石の呼称の元は蓬の色をした石が瀬田川にあるからです。

 

これらの蓬色をした石に[ジャグレ]を思わせる変化のある石が多く見られます。恐らくこの結果でしょうが、[ジャグレ]を思わせる変化の多い石を[蓬石]と総称するようになったと、推測しています。

 

瀬田で有名な石は主に梨地肌真黒、虎石などですが、これらの石に[ジャグレ]を思わせる変化は見られません。

 

他の川と同じく、瀬田川も多様な石を産します。

 

それらの多様な石の中に、[ジャグレ]を思わせる変化の石があっても何も変ではありません。

しかし、さすがに瀬田川だと感心しますのは、この[ジャグレ]を思わせる変化のある石も、とても硬質な石が多いことです。

 

瀬田川には、水中に潜って石を探す人達がいます。

 

この石は、この人達によって川底から揚げられた石であると聞かされています。

平成になってからの出来事であるそうです。

 

あの激流の瀬田川の中で、よくもこんな格好を保ち続けられたのだと、驚きます。

 

 

京都・九十九会では、水盤に横にして出品されていましたが、私はこのように立てて、台を山梨さんに作って貰いました。山梨さんらしい台の足で更に格調が出てきました。

 

主峰が、がっちり踏ん張っているので、長くのびた腕が、優しさすら醸して月を招いています。

 

そして、【招月】と銘じ、山水石の一種と思えることになりました。

 

 

 

 

 

 

 

では、更にもう一つ見てください。