員弁・自採山
【員弁・自採山】写真27
[左右26cm]
1980年頃でしょうか、ある朝、員弁の支流に入りました。
川に降りて10分くらい歩いた時、足下の砂の中に埋もれた質の良い石を見て、ひっくり返したら、この山ではありませんか!
大喜びでこれを持って家に直行。家に着いたらまだ昼前でした。
探石で後々残せるような石が拾える可能性は、百分の一もありません。つまり、探石に100回出掛けて1回もない訳です。
だから、こんな石が拾えたら満足で、いち早く帰りたくなったのです。
探石と言えば、河原では正確な判断力を失うらしく、帰って家に入り、拾った石を取り出した瞬間に[何故こんな石を拾ったのか!]と思う事が多いものです。
買うにしてもそんな感じがあります。共に失敗が多く、それらの石は庭に積まれています。
もっとひどい話は、台を付けてから失敗に気付く事です。
台を付けた石は、約300個あります。
今回、全部写真を撮って初めてわかったのですが、こうして掲載したくなる石、又は石展に出品できる石は100個あるかないかでした。
台に載せますと簡単に捨てられません。
もう!始末に困ります。
何故?と反省しきりです。何しろ成功する打率は3割以下ですから情けないです。
最近は拾うにしても買うにしても、そう頻繁に石を持って帰りませんから、打率は少々あがったかも知れません。
しかし、去年(平成15年)に、25万円も出して買った石がハズレみたいでしたから、まだまだ偉そうな事は言えません。
どうも、私は石好き過ぎて[愚]から抜け出せないらしいです。
私見ですが、石集めは[狩猟本能]に支配されているのではないかと思います。何しろ貪欲に獲得したくなるからです。
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困ったものです。石好きとは[業(ごう)]のようなものから抜けられないものであると思っています。
さて、この石は言うところの[青黒]で、現在の員弁川ではあまり見掛けません。
見ての通り、中央部に溜まりもある二つ山で、まあ良いです。
ただ、人によっては、副峰の端、つまり左端の突端が宙に浮いているのがお気に召さないかも知れません。
しかし、不思議ですが、主峰側が地面に踏ん張っている格好をしていれば、副峰側は浮いていても平気のようです。
この点に関して、別項目【主部 副部】を設けて追ってみたいと考えています。
なお、この石の台は浜松市においでの台製作者[鈴木さん]の作です。
複雑な底部にも拘らずご覧のように力強い仕上がりになっていて有り難いと思っています。