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[高さ14cm]
以前、中村東鶴さんと言う卓越した愛好家がおいでになりました。
当時の[愛石の友]に、優れて印象の深かった文章を書いておられたお人で、何時の日にか『石を止めます』と云われ、消息を絶たれました。
この人の【光悦】と銘じた瀬田川石が掲載された事があります。
この石に私は魅了されてしまいました。
【光悦】は立ち石で、上がまっ平。
下に行くに従って小さくなっている、という立ち石の典型のような格好のものでしたが、天井は真っ平らで素晴らしい瀬田川の独特の川擦れに、高貴ですらあって、具象的でなく、さりとて抽象を意図されたものでもなく、【光悦】の銘と共に深い印象を残しています。
この石は、憧れの【光悦】を求めていた結果得られたものです。
もちろん、中村東鶴さんの【光悦】に及びもつきませんが、私はこの石を得られただけで、もう充分に満足できています。
この石は、茶色を基調にしていて新しい川擦れはなく、品位に今ひとつでしょうか。