悟 空 峰
【悟空峰】写真24
[高さ41cm]
この石は、揖斐川の産です。
水石の世界に登場したのは揖斐川の方が先輩であったかのように聞いていますが、最近は、何故か佐治川石に人気があり、揖斐川石は二番手になっている様子です。
しかし、揖斐川の石にもすごい石があります。
前に出てきた写真16の【深遠】など、文句の付けようがありません。
この石も質に於いて典型的な青黒石で、一流の質と色合いを持っています。
孫悟空しか登れない山という思いで【悟空峰】と銘じました。
私は、右側の低い方の峰を主峰と感じて見ています。
この見方に異論のある人もあるかと思いますが、この感じ方はいつの間にか私に根付いてしまいました。
しかし、このように感じてみますと、どことなく広く伸びやかな世界が展開する場合が多いことを私は経験で知っています。
水石は、何故か何形かに分類する癖があります。
しかし、天然に出来てしまった石を相手に、型にはめようとするのに懸命になり過ぎるのは、いかがなものでしょうか。
あの【深遠】もこの【悟空峰】も型にはまりませんが、展覧会への出品で、共に大きい反響を得ます。
この反響の大きさに意を強くし、これは、視覚の本質をわきまえた上で、イメージに自由を与えることを行って選ばれた結果であるからと考えています。
その結果、石を選ぶこの姿勢に新しい将来があると考えるに至りました。