逃げを感じること

【遼 遠】の写真3は、写真6と同じ方向、つまり正面から写していて、明らかに左右が迫って見えて、逃げはありません。

 

写真3は、少し上部より撮影していますから、更に明確に左右が手前に迫って感じられる訳です。

そして、この写真3の視点は[山水石]を普通に鑑賞する高さです。

 

つまり水石は、上から見下ろしているから、逃げの有る無いを目のあたりに見てしまうわけです。

 

 

[1]風景は自分を取り巻いているものであるべきと言う感覚と、 

 

[2]人は山々を低い位置から見た経験しかないと言う二つの理由を背景に持つ為に、山水石を上部から見て左右が後方に逃げていると[何だか変だ]と矛盾を感じるのです。

 

これが、[逃げ感]の実体です。

 

 

 

写真3は、左右が迫っています。しかし、多くの山水石の左右は迫ってはいません。

 

人は、(後の平野に関する項目で述べますが)地平線と言うものを左右に延びた直線であると感じています。

故に、少なくとも直線、又は直線らしく感じられれば問題はないようです。

 

実は、先ずは逃げ感がない事が大切で、左右が迫っている事は必須の条件では無いようです。

この点では、盆栽・生け花などより緩やかな感じがします。