平  野?

 

地面に直立し、真っ直ぐに正面を見た場合は、写真のように、地平線は、見える範囲の

ほぼ中央に左右にのびています。

 

普通、人が生活で使っている視野角度は左右で50゜となっていたらしく、昔の35ミリカメラで[標準レンズ]と称するレンズの焦点距離は5センチが主流でした。

しかし、ぼんやり眺めた時と、熱心に見たときと、印象に残る視野角度は、大いに違います。

 

そこで、この項目で選んだ写真は、私が持っているカメラのせいで左右46゜にしました。

この写真の上下の視野角度は約36゜になっています。

 

(なお、この写真は地面から1.5メートルの高さで撮影しています)

 

地平線のあたりに、左右に赤い線を書いてみました。

 

赤い線の少し上に建物の群れが見えます。

この群れまでの距離をカーナビに聞いたら500mと言いました。

 

そこで、赤い線を200メートル離れた場所に引いてみました。

 

もっと正しくは赤い矢印の線の上端が、今立っている位置から200メートル遠い場所です。

 

この線を出す計算によれば、200メートル先と何十キロも離れた本物の地平線との間、つまり、この赤い矢印線と地平線との間を見ている視野角度は、何と0.43゜でしかありません。

 

500メートル先と地平線との間を見ている視野角度は0.17゜です。もうここまでくると、地

平線と区別できません。

 

ですから、細かいことに拘らなければ200メートル先より遠くを[地平線]と感じている場合も多々あると考えて良いでしょう。

 

とは言うものの、実際にこの風景を目の前にすると、200メートルあたりの建物は詳細がよく見えますから、それを地平線と同じに感じていると言う話を、にわかに納得しにくいのが本音です。

 

つまり、建物を見ようとして見ると、注視するからでしょう、可成り細かいものが見えます。写真で言えばズームアップです。

 

 

故に、200メートルあたりより遠くを、

普通の生活ではとか、漫然と眺めている場合とかの時に、

[地平線的]に感じているということとした方が正しい表現と思われます。