本   論

 

さて、ここから本論に入ります。

先ず、【水石なるジャンルの石】に関して述べることから始めます。

 

主に室内で鑑賞する水石なるジャンルの石は[一個の石で何かを感じられるもの]と言えば良いのでしょう。

[1] 人の姿とか動物などの姿を感じるものを[姿石]

[2] 石の表面に現れた紋様を愛でる石を[紋様石]

[3] 石の持つ色彩を喜ぶ石を[色石][美石]などと称しています。

[4] それらの中で、山水石は、一個の石で[大自然の風景]を連想できる石と言うべきです。

 

 

[大自然の風景]を連想できる石である山水石を

 

 

[大自然の風景の一部を切り取ったもの]または

[大自然の風景の一部を模したもの]と考えるのは間違いである。

 

 

と、私は考えています。

 

 

この考え方を説明する簡単な方法を思い付きません。

 

故に更に根本的に考え直した方が良いようです。

 

従って、石を見るのも二つの眼球ですから、先ず、視覚に関して考える事から始めます。

 

 

視覚について考えたいという理由は、

1.

子供の頃から大人になる成長過程、及び日々の生活で[視覚を通した経験]によって私たちの心に刻みこまれたものと、

2.

祖先の数多の経験を元に遺伝子に組み込まれたものを我々が受け継いだものと、

が関係しています。

 

石を観ることによって感じられる[風景感]は、

[脳味噌の中で、1.と2.とが双方共に働いて、集約された結果、作り出されるイメージに於いて風景感となっている]

と考えています。

 

 

 

 

 

 

そこで、まずは視覚について見過ごしてはならないものがあるとなりました。