水石、山水石へのお誘い

 

ここは、何処でしょう?

揖斐川石【深遠】の中に、輝く[ひかり]の世界が…

ある友人がこの写真を見て【神々のすむところ】と言いました。

水   石

 

水石という呼称は、水盤に入れた石に水をふりかけると色が濃くなり、美しく見えるからであるという説と、古来、我が国の公家社会・武家社会の茶席などで、床の間を飾る置物として【山水景を感じ取れる石、つまり山水石】が重用され、伝統文化の一端を担ってきたから、山水石を省略し水石としたものであるという説などあります。

私は【山水石】説を支持したい気持ちです。

 

昭和40年頃に我が国では“石ブーム”が全国に湧き起こり、好まれる石は山水石ばかりでなくなりました。姿石、紋様石、抽象石などなど。更に、美石といい色彩を愛でる石も登場し、山水石は必ずしも主役でなくなってきました。

さて、幼児体験のせいかと思いますが、私は自然に山水石を好むようになり、それを基盤にして石と交わってきました。

何十年経過したこの頃、過去に水石専門誌に投稿した原稿を元に、矛盾のないようにすべてを改めて見直し、より多くの人に見て戴きたいと願って、このホームページを纏めました。

末筆になりましたが、このページにおいで下さり有り難うございました。

東海石友会 本多忠三

2004年10月09日

 

 

本サイトは、5種の伝承石を見て戴くことに始まり、山水石の将来を憂いながら、暫くして【本論】に入ります。

本論】は、一貫して室内で鑑賞する石に対した人間は、人間が持っているどんな機能を使うか、また、どんな心理を使うかなどを考えて書いています。

この考え方は、過去の水石界で行われたことが無かったでしょうから、考え方・用語・ 記述など耳新しいものが出てきます。

  【本論】は[18_立ち石]で終わります。若し、疑問などありましたら、メールにてご質問下さい。

続く[19_深山]から[54_矢合川石6]までの36頁は、私が所有している、又は所有していた色々な石の写真を載せ随意に書いています。

更にその次は最終グループで、[雲と空を入れた写真集]になります。

最初は【雲と空入り大八洲】に始まり、続いて全部で78頁あります。

 

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Suiseki, Sansuiseki Heno Osasoi

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【与十郎石のお話】 ご覧下さい。2008_5_22

【太陽の塔】のお話 を写真入りで書いています。ご覧下さい。2006_7_30

【忘れてはならないお話】 女性はひとまえで化粧します。 さて鑑賞の石は? 2007_9_20

【雲と空をいれた写真集】が後半にあります。この下にサムネイルを随所に入れました。ご覧下さい。2006_12_13

目  次

1_山 水 石 [伝承石]に始まり水石、山水石の将来は?                       

2_序言と大八洲 瀬田川の産。梨地肌の真黒石。抜群の川擦れしていて、素晴らしい曲面で包まれています。

3_大和 これも瀬田川の産。底部を含み全部天然のまま。

【本  論】  水石なるジャンルの石は…

ここから本論が始まります

4_遠 近 感 石を見るのは二つの眼球ですから視覚について考えを進めます。

5_山水石を見る 石を見下ろして鑑賞します。見下ろして、あの高い山を感じられるには?

人に観て貰うものは

6_左右の「逃げ」 左右に長い山水石で、両端が後方に逃げている事を[逃げ]と言い、逃げは歓迎されません。

7_一つの実験 カメラのレンズに高さを石に底面の高さに合わせて、石に正面からと裏面からと撮影。

8_逃げを感じること 石に逃げを感じる理由は、石を上から見下ろして鑑賞するからです。

9_石を鑑賞する状態 石を鑑賞する時は、地板または卓などの上に載せます。これらは空間を感じさせます。

10_注視すること  

人は興味を持った物を注視します。この時視野角度は狭くなり、視界中心部の印象が強く残ります。注視によって強く残った中心部の印象は、石の中心に集中している感じを与える[かたち]を好ましいと思う結果を招きます。

11_集・中心的の具体例 石の中心に集中している感じを与える[かたち]の具体例。

12_平野を持つ石1(土坡石)山水石には山を感じるのみでなく、主に平野を感じるものがあります。

13_平野を持つ石2(段石) 平野を感じるものの中で、何故か段になっているものが市民権を持っています。

14_集・中心的の意味  集・中心的かたちの石の写真をコンピューターで変形させ集・中心的でなくしました。

平野の役目は

15_平 野? 山水石を考えるに[平野]を人はどのように感じてきたかを考えます。

16_平野の纏め 平野を足下に平に広がり、遠くに真っ直ぐな地平線を持った平面と感じているのです。

17_下を向いて歩く人間 

おおかた下の方向に視線を定めて人は歩き、歩いている人の眼の視野の隅で高い建物と山々はどう見えている?

 

18_立ち石  殆どの山水石は横に長くなっています。縦に長い石は何に注意したら良いのでしょうか。

●結論  

ここで結論は終わりです

19_深山 上部の主峰の頂点あたりを叩くと金属音を発し、硬い様子がうかがえます。

20 _愁風 溜まり石とは、[水が溜まる石]の意味。言ってみれば湖のようなものを…

21_雨宿り この石は、上下をひっくり返すと何と山形の一種になります。右の写真15がそれです。

22_深遠 この格好は人間技の及ぶものではありません。全く不可解なかたちの石です。これは表紙の石です。

23_庄屋 屋根の芯が 明確で、ひさしが真っ直。茅舎としての雰囲気抜群。私が持っている茅舎ではこれが最高。

24_文明開化 当時に出版された本に[文明開化]なる銘で掲載されていて、銘は故・小林宗閑さん。

25_花舞 前から【サバ菊】が手に入ると思っていなかった私は、これを買えて幸せ。

26_座馬  誰が見ても、馬に見えることと、何となく若い馬に見えるのが良いです。可愛いので…

27_瑞稜 瀬田の真黒の感じは、瀬田独特のもの。それは、硬質であり、高密度を感じさせています。

  

28_悟空峰 孫悟空しか登れない山とみて【悟空峰】と銘じました。右側の低い方の峰を主峰と見ています。

29_白倉谷の石 揖斐川町の上流に白倉谷なる谷を持つ山から揖斐の青黒石が出てきたという説があります。

30_大観 稀代の名品ではないかと、ほくそ笑むことがあります。今も私の枕元がこの石の住所です。

31_員弁自採石 川に降りてすぐに、足下の砂の中に埋もれた質の良い石を見ひっくり返したら、この山でした!

32_光悦 何でもない河原に転がっていました。石探しに疲れて車に帰る時に足下にあるのを発見。

33_枯れ瀧 底は真っ平らで座りもこのままの姿。拾った時はまだこの石の良さがわからなかったようです。

34_萌 去年(2003年)揖斐川で発見。山の格好が良いと台に載せて貰いました。

35_探石第一号 この緑を主体にしたこの質が、土岐川・庄内川には珍しいと私は思っています。

36_高溜り 台は、浜松市の鈴木さんです。鈴木さんは洒落た感じの台を作って戴けます。

37_武蔵岳 蟹真黒らしきところもあり、また別の質のところありで、実にユニークな格好をしています。

38_松川山 それでも、それでもと歩いていたら、足下にこの石があるではありませんか!驚きです。

39_庄内黒石 庄内の真黒石とは、梨地肌が全てと思われていますがこの石は違います。その上、硬質です。

40_久遠 良い格好をしています。沢山の庄内川石の切断をしましたが、この石以後庄内川石の切断はしていません。

41_主部 副部 主峰側が地面に踏ん張っている格好をしていれば、副峰側は浮いていても平気のようです。

42_招月 瀬田川では、この石のように変化の多い石を何故か[蓬石]と言います。

43_崎橋 大変な硬質で叩くと美しい金属音を発します。昔は、揖斐川にもこんな質の石があったのです。

44_香流 名古屋市に[香流]と書き(かなれ)と読む川と町があり、美しい響きなのでこの石の銘にしました。

45_飛台 天空台 上部の平面を支えている平面の下部のおもむきに、変に魅力を感じるのは、何故でしょう。

46_小宇宙 これを展覧会に出品すると、評判が良いです。見どころが多様で、視線がさまようからでしょうか。

47_豹点 据わり良く、洒落た感じで気に入っています。台に載せない方が締まった様子で、素晴らしいです。

48_天空 山水石の何形と言う分類に入りませんが、何か自然の風景の感じがしていいです。

49〜54_矢合川 三重県四日市市の近くの川です。個人的に一時夢中になり石を得ています。ご覧ください。

後半は[空と雲を入れた写真集]です。

 

[雲と空を入れた写真集]は、全部で78ページあり、各ページは一枚の写真と文章で出来ています。

 

私のパソコンは、マックOS-10です。

ご存じのように、マックOS-10のスクリーンセイバーはスライドショーをします。

このスライドショーが優れもので、上下・左右・斜め方向に“気儘な移動”をしながら拡大・縮小を繰り返します。

次々にワイプし、眺めていて飽きません。

 

このスライドショー用にと、[石の背景に雲と空を入れた写真]を150点あまりを作り、楽しんでいました。

このホームページの前半部分を書き終わって、ふと思い付いてページ左右一杯の大きさで、この写真を載せてみました。

良い感じになりそうで、嬉しくなってきました。

文章も気楽に書けそうです。

 

私の石は多く[山水石]ですから、背景に雲と空を入れる事は[山水石]の風景感を増すから良いと思い作っていました。

 

しかし[姿石]の背景に雲と空を入れてみて、ミスマッチが見られなかったことに、驚きと悦びを改めて体感しました。

 

[水石]は室内で鑑賞されます。

室内は人工の建築物で空も雲もありません。

それにも拘わらず、空と雲と石とが美しくマッチしています。

結局、石も天然。雲と空も天然であるからでしょう。

鑑賞に値する天然の石を手元に持てるとは全く素晴らしい!です。